ベンツの疑問から会社のお金へ――『なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?』を読んで
小堺桂悦郎さんの『なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?』を読んだのは、IT商社でマーケティングを担当しながら、自分の会社も経営していた頃だった。
まず思ったのは、「売れるタイトルだな」ということ。
社長、ベンツ、4ドア。どれも見慣れた言葉なのに、並べられると理由が気になる。
会計の本だと知らずにタイトルだけ見ても、答えを確かめたくなる。マーケティングの仕事をしていた自分には、その入口の作り方も面白かった。
本は速読で、気になるところから要点を拾うように読んだ。細かな事例を一つずつ追った記憶より、見出しが投げかける疑問と、その答えをたどった感覚が残っている。
ベンツから経費の話へ
タイトルの疑問は、中古の4ドア車と経費の話につながる。
ベンツという目を引く題材で、会社のお金の使い方を説明する。会計の用語から始められるより、自分にはずっと入りやすかった。
車の話は身近だけれど、会社の経費となると、普段の買い物とは見方が変わる。読みながら、自分の会社での経費の扱いにも関心が向いた。
ただ、本をきっかけに何を調べ、実際の処理を変えたかまでは覚えていない。今残っているのは、「経費」という言葉を、具体的な買い物と結びつけて考えたことだ。
利益と現金は同じではない
もう一つ拾ったのは、利益が出ていることと、手元にお金があることは別だという話だった。
売上があり、帳簿の上では利益が出ていても、支払いに必要な現金が足りなければ会社は困る。
資金繰りを見なければ、数字の印象だけでは判断できない。
自分でも会社を経営していたから、これは遠い会社の話としては読めなかった。利益という結果の数字だけでなく、お金がいつ入り、いつ出ていくかを見る必要がある。
同じ頃、マーケティングの仕事では「どうすれば興味を持ってもらえるか」を考えていた。この本には、読む前の自分を引きつけたタイトルと、読んでから考える会社のお金の話が両方あった。
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なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?